NHK連続テレビ小説「花子とアン」の登場人物のモデルとなった歌人・柳原白蓮(1885~1967年)の直筆短歌の色紙を、俳誌「渋柿」創刊者で愛媛ゆかりの俳人・松根東洋城(1878~1964年)の親族が遺品として保管していたことが分かった。白蓮が1911(明治44)年に「九州の炭鉱王」と呼ばれた伊藤伝右衛門と再婚する前、東洋城と恋に落ちたことが知られており、専門家は「白蓮が東洋城に宛てた恋の歌」としている。 色紙には「初夏や白百合の香に抱かれてぬるとおもひき若草の床」としたためられ、白蓮に関する著書のある井上洋子・福岡国際大名誉教授によると、第2歌集「幻の華」(1919年)に収録されている。 筆跡などから「白蓮の直筆に間違いない」とし、「この時代の白蓮の恋の歌は対象が分からず、空想も交じっていると考えられているが、この歌は東洋城宛てだと特定できた」と評価している。
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