愛媛県今治市唐子台東1丁目、フリーライター吉村信男さん(69)がこのほど、芸予諸島と今治港を結び生活物資などを運んでいた「渡海船(とかいせん)」の歴史をつづった小学生向け冊子「渡海船物語」(B5判8ページ)を発行した。起源や役割、盛衰などを紹介。1994~99年に撮影した写真や、最盛期の渡海船一覧表、航路も掲載している。渡海船は江戸時代の天保年間(1830~44年)に伯方島で始まったとされ、「とうかいさん」の呼び名で長く親しまれてきた。早朝、島から農海産物を運び、帰りは島民の注文を受けた日用品を運搬。盆や正月に荷物を満載した渡海船が出港していく光景は、港の風物詩だった。
↧