愛媛県西条市の県営黒瀬ダム湖に飛来する絶滅危惧種トモエガモを保護するため、県は11日、飛来時期に許可なく釣りやモーターボート利用を禁止する「特別保護指定区域」に同ダム湖を指定する方針を示した。鳥獣保護区分の中では最も規制が厳しい区域。県によると、指定されれば全国5例目、四国では初めてになるという。 11日の県環境審議会鳥獣保護部会(部会長・松井宏光松山東雲短期大名誉教授)で、県が説明した。指定案は承認され、近く中村時広知事に答申する。 県などによると、トモエガモは全長40センチ前後。国と県のレッドリストで絶滅危惧II類に指定されている。黒瀬ダムは2012年の県内飛来状況調査で確認された87羽のうち83羽を占めるなど、有数の飛来地になっている。 県が指定するのは黒瀬ダム湖面135ヘクタール。ボートの騒音などでトモエガモが逃げないよう、飛来する10~3月末まで許可なく動力付きのボート利用や釣りを禁止する。違反した場合は6月以下の懲役か、50万円以下の罰金が課せられる。指定期間は23年10月末までの10年間。本年度は知事の指定を受けて11月から規制される見込み。
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