建設業者の新分野進出や経営基盤強化を後押しする愛媛県の助成事業への応募が減少している。多いときは20件を超していたが、昨年度は9件と初めて1桁台となった。背景には公共事業の増加で建設業界の経営改善がある程度進んでいることがあるとみられる。 県の助成事業は、公共事業の減少で県内建設業者の倒産が相次いだ2006年度からスタート。年間3000万円程度の予算で、技術力向上やコストダウン、新分野進出による経営多角化などに取り組む業者に上限200万円を支援している。 応募件数は、事業を開始した06年度の26件が最多で、09、10年度も24件と20件を超えた。12年度も17件あったが、13年度は9件に減少。本年度も最終の3次募集を残すが、9件にとどまる。 公共事業は、国や自治体の財政難などで1990年代後半から急激に減少。2009年には「コンクリートから人へ」を掲げた民主党に政権交代し、さらに絞り込まれた。しかし、12年末に誕生した安倍政権では経済対策として多額の公共事業費を投入、事業は増加傾向にある。 西日本建設業保証愛媛支店によると、県内公共工事での保証実績企業の倒産件数は08年度に39件だったが、13年度は6件に減少。一方、13年度の県内請負金額は1626億円で、06年度以降では最高となった。
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