少子化や都会への人口流出に伴って放置される墓に、公営墓地を管理する県内自治体が頭を悩ませている。借り主と連絡が取れないことが多く、愛媛県松山市では「無縁墓」と確定する法的手続きに着手。2011年度から一部の撤去に乗り出した。 市営墓地22カ所がある同市は08年度以降、大規模調査を継続中。13カ所を調べ、507区画(5.8%)を無縁墓と判断、借り主に1年以内の申し出を求める「改葬公告」を出した。使用権者の不在を確認する手続きで、既に71区画を撤去、再貸し付けしている。 市生活衛生課によると、改葬公告数は予測を上回った。仙波昭典課長は「子や孫の代になって都会に出て戻る機会もなければ、墓はほったらかしになりがち」と話す。使用者の死亡や転居、墓地が不用になった場合は市に届ける規則だが、周知されているとは言い難い。区画を借りている意識が低いのが現実という。
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