懸け造り建築の参籠殿(さんろうでん)で修復作業が進む愛媛県大洲市菅田町大竹の少彦名(すくなひこな)神社で25日、人力での製材を体験するイベントがあった。大鋸(おが)という昔の巨大なのこぎりを使い、厚さ約30センチの材木を切る重労働。参加者は「こりゃ、きつい」と悲鳴を上げながらも、ぐっと腰を入れて懸命に引いた。 肱川沿いの山の斜面を使い、長さ10メートルを超す柱を組んで宙に浮いたように立つ参籠殿は1934年に完成。ただ、製材が人力なのか機械なのか定かでなく、人力だとどれだけ大変なのか体験しようと、参籠殿修復実行委員会が市内外から大鋸を集めて企画した。 参加者約60人は、模擬の材木を前に「ヨイショヨイショ」。大鋸には刃渡り55センチ、幅36センチの巨大サイズもあり苦戦したが、見事切れるとガッツポーズ。木くずを見て「大鋸から出た本当のおがくずだ」と語源を再確認し感慨に浸った。
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