補聴器の効果が薄い重度の聴覚障害者を対象とした人工内耳のリハビリテーションセンター「でんでんむし教室」が、愛媛県松山市鷹子町の鷹の子病院に開設されて1カ月。音声での会話ができるよう0歳~80代の約130人が通っている。センターによると、人工内耳に特化したリハビリ施設は四国で初めてという。 人工内耳は、頭部に着けたマイクで音を集めて電気信号に変換し、手術で内耳に埋め込んだ電極に送って音の感覚を得る。手術しても音に慣れるまでには時間がかかり、円滑に会話するには長期のリハビリが不可欠。 4月に発足したセンターの名称は、内耳に似た姿を持つカタツムリの、少しずつ着実に歩む姿をリハビリの目標と重ねた。3月まで愛媛大教育学部教授だった高橋信雄センター長(65)ら言語聴覚士の資格を持つ職員2人が常駐。県内で唯一、人工内耳の電気刺激を調整する機器を設置した。
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