苦しみや悩みを抱えた人の相談を受けて自殺防止などに取り組む「愛媛いのちの電話」の相談員不足が続いている。ピーク時の半数近くの約80人で懸命に活動を支えているのが現状で、事務局では10日から開講する相談員養成セミナーへの参加を呼び掛けている。 愛媛いのちの電話は1985年に発足、現在は毎月1~10日の正午~翌午前6時、11日以降は正午~午後10時に対応。自殺を考えたり、心の病気があったりする人など年間1万件を超す相談に応じている。2013年1月からはインターネットによるメール相談も開始、若者の利用も多いという。 事務局によると、阪神大震災後はボランティア意識の高まりで相談員数は最大約150人まで増え、毎月7~10日間の限定ながら24時間対応ができた。近年は主婦層の減少や高齢による引退などで、目標の100人以上の確保が困難な状況。相談員数が60~70人台にまで減少し、電話が鳴っても対応できず、受付件数が1万件を割った年もあった。 相談員になるためには1年間で計32回の「傾聴スキルアップセミナー」受講が必要で、料金約6万円は自費。活動自体は無償ボランティアで、相談員の中には「自分にできるのか」と当初は不安を抱えながらも、続ける中で定着する人もいるという。 傾聴スキルアップセミナーは、誰でも受講できる全5回の公開講座が10日~7月5日で受講料1万円。公開講座を修了した22~65歳が対象となる全27回の電話相談員養成講座が8月~15年3月で、受講料3万5000円、宿泊研修費1万5000円、参考書代1500円が必要。申し込みは9日まで。問い合わせは愛媛いのちの電話事務局=電話089(958)2000。
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