愛媛県は28日、絶滅の恐れのある動植物を危険度別にまとめた県レッドリストの改訂案を2003年以来、11年ぶりに公表した。環境省が12年8月に「絶滅種」に指定した県獣のニホンカワウソは、絶滅の危険性が極めて高い「絶滅危惧1類」として維持。30日からパブリックコメントを始めるが、国と県で生息の可能性について判断が分かれ、論議を呼びそうだ。 県などによると、ニホンカワウソは1975年に宇和島市九島で捕獲されたのを最後に県内で39年間確認されていない。環境省は高知県の記録などを基に「絶滅種」としたが、愛媛では絶滅種の指定の目安となる50年が経過していないことや、県内での調査が継続中であることから絶滅危惧種にとどめた。 県から調査委託を受けているネイチャー企画(宇和島市)では、目撃情報を基にカメラを設置するなどして調査を進めている。環境省の絶滅種指定以降、情報が多く寄せられるようになったが、今回のレッドリストの公表を機にさらなる情報を求めている。県はレッドデータブック(RDB)を秋ごろ改訂する予定。
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