2013年1月に91歳で亡くなった愛媛県新居浜市出身の洋画家筒井年男さんの遺作展が、西条市周布の東予郷土館図書館で開かれている。シベリア抑留体験を基に描いた大作や宇宙をテーマにした幻想的な抽象画など22点を展示。独特の作風が来場者を魅了している。6月15日まで。 同館によると、筒井さんは愛媛青年師範学校を卒業し教員になったが、太平洋戦争が始まり満州公嶺学校に現地入隊。終戦後、3年間のシベリア抑留を経て1948年に帰国し、小中学校で美術を教える傍ら作品の制作を続けていた。 会場には、庄内小学校(西条市旦之上)の児童らが死亡した旧国鉄宇高連絡船・紫雲丸の沈没事故(1955年)をイメージした「波止場の母子」のほか、十二単(ひとえ)の形や色を現代的にアレンジした「源氏物語現代シリーズ秋愁」などが並ぶ。
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