「お父さん、ありがとう。みんな喜んでくれたよ」―。東日本大震災の被災者に支援の思いを伝えたいと、人々が手をつなぐポーズを写真に撮り続けた愛媛県鬼北町近永のカメラ店主・故加賀城孝さん(享年55)。遺志を継いだ妻嗣子さん(54)が、町民ら約2100人分の笑顔の輪を被災地に届けた。福島市土湯温泉町で5月末まで展示する。 震災直後、孝さんは東北のカメラ店がボランティアで写真を復元していると聞き「同じ写真屋として支援したい」と立ち上がった。その方法が「写真の輪」。「決して一人じゃない。みんなつながっている」という気持ちを伝えたいと、2012年5月から撮り始めた。店に訪れた客や成人式の若者らの笑顔が、店内の壁を覆っていった。
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