愛媛県八幡浜市が1999年9月に漁港を埋め立てて造成した川上地区の市有地は将来、八幡浜漁協(福島大朝組合長)名義になることを89年の確認書で約束していたとして漁協は24日までに、市に市有地の所有権を漁協に移転登記するよう求めて松山地裁大洲支部に提訴した。市は「確認書は無効」として争う姿勢を示している。 訴状などによると、土地は同市川上町川名津の雑種地で、3筆計2133平方メートル。国道378号の改良工事に伴い、市が隣接する漁港を埋め立てたもので、現在は遊休地になっている。 市は89年、「(埋め立てた土地は)工事完成後10カ年の経過後、漁協名義とする」との「協議確認書」を、当時の市長と県八幡浜土木事務所長の連名で作成し、漁協と交わした。99年に工事は完成したが、移転登記はされていない。 多額の累積赤字を抱えた漁協が財務改善計画を策定していた2013年、この土地を自己資産に長年計上していたことが判明。その後、市と漁協は対応を協議したが、合意に至らなかった。
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