経営不振に陥っている四国乳業(愛媛県東温市、和気茂太社長)の親団体、県酪農業協同組合連合会(同、和気会長)が、酪農家に支払うべき乳価の値上げ分を昨年10月から保留し、同社再建の原資に充てる経営改善策を計画していることが19日分かった。円安による飼料価格高騰に苦しむ酪農家からは「先に自分たちが倒れる」と悲鳴が上がっている。 酪農家の経営環境悪化を受けて、各乳業メーカーは昨年10月、全国的に飲料向け生乳価格を1キロ5円値上げした。県内でも加工用を含む平均乳価は約3円上がる見込みだった。 しかし、県酪連は四国乳業の赤字圧縮のため、昨年11月の理事会で、乳価値上げ分支払いと毎年1回実施している酪農家からの預かり金精算を保留することを決めた。 酪農家には1キロ約7円の負担増となり、一部の酪農家は「預けた金を勝手に取るのはおかしい」と反発。昨年も預かり金について同様の措置が実施され「何年も続くと持ちこたえられない」と主張している。 愛媛新聞の取材に対し、和気社長は「会社を立て直すために理解してほしい」と説明。25日に県酪連と酪農家で乳価について協議するとしている。
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