季節や天候に左右されない事業の確立を目指し、愛媛県四国中央市の建設業者がチョウザメ養殖に乗り出して5年になる。珍しい身肉の販売で、ようやく顧客の反応が上向き始めた。県産キャビアを食卓に届ける目標に向け、足場を固めつつある。 同市東部の山間部。田畑や民家のそばで水流を調節するモーター音が響く。舗装業などの「中央道路」(金生町山田井、33人)は本業で出た廃材や遊休労力を生かしていけすを整備した。水質・水温が安定した湧き水を許可を得て引き、大小12のいけすで約3600匹を育てている。 再雇用社員の受け皿にもなり得ると考えたのが事業のきっかけだが、当初の数年間は四苦八苦した。「ニジマス、アメゴ。ワサビもやった」。会長の柴垣正利さん(64)は、湧き水に浮かんでは消えた事例を昨日のことのように振り返る。
↧