愛媛県産品の販路拡大につなげようと県の６保健所は１月から、県外でしかできなかった中国向け水産物の衛生証明書の発行を始める。県内企業の労力やコストの削減につながり、県産水産物の中国輸出が加速しそうだ。 ２０１２年度の県産水産物の中国輸出は、養殖のタイやブリを中心に１２．３トン、総額２１９０万円。企業は厚生労働省に登録した上で、輸出のたびに同じ魚種や同じ製造ラインで作った加工品１種に対し、証明書１枚の添付が義務付けられている。 県内には発行できる機関がなく、県内企業の多くは日本冷凍食品検査協会関西事業所（神戸市）に依頼。発行には約２～３日必要なほか１枚約５千円かかり、負担になっていた。県などによると、県内からの依頼は１２年度で約１９０枚だったという。 そこで県は手続きの簡素化へ厚労省に規制緩和を提言。昨年１０月には県立衛生環境研究所が発行要件となる自主検査の機関に追加され、検査と発行の手続きが県内で完結する体制が整った。保健所では即日発行が可能で、手数料もほぼ１０分の１となる６００円に抑えられるという。
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