古くから愛媛県の別子銅山の新年行事に欠かせない供え物で、銅鉱石を水引やしめ縄で飾って作る「小ばく」を、銅山の元従業員らでつくる別子銅山親友会(池端勇次会長、約230人)の会員3人が今年も完成させた。 小ばくは大地の恵みに感謝を込める意味があり、かつては前年に採掘された良質の銅鉱石を使っていた。1973年の銅山閉山で途絶えていたが、78年に同会を結成。同会が保存している鉱石を使い、伝統の技の小ばく作りを復活させた。 今年は10月から作業を開始し、農家から調達したわらで、太さの異なる7種類のしめ縄を編み上げた。11月中旬にかけ、3人は新居浜市中筋町2丁目にある住友金属鉱山の厚生施設に集まり、しめ縄を約2キロの鉱石に縦横計24回巻き付ける技法で、1個あたり約1時間半かけて計5個を仕上げた。 完成品は大阪の住友本家に贈られるほか、個人の贈答品としても注文を受けている。
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