上島町教育委員会は3日、町内遺跡発掘調査事業指導委員会(委員長・村上恭通愛媛大教授)を開き、中世の塩田跡が確認されている宮ノ浦(みやんな)遺跡(同町弓削佐島)の調査方針を協議した。将来の国史跡指定申請も視野に、2015年度末までの報告書作成を目指すことを決めた。 宮ノ浦遺跡は11年度から愛媛大と町教委が調査。県内で初めて中世の塩田跡が見つかったほか、古墳時代の製塩遺構などが出土している。 委員会には委員や町教委職員ら12人が出席。文化庁記念物課の祢宜田佳男主任調査官がオブザーバー参加した。宮ノ浦遺跡や、今年8月の試掘調査で製塩関連とみられる中世の地層を確認した弓削島の高浜八幡神社などを視察した。 祢宜田調査官は「長い時代にわたって製塩跡が確認できる遺跡はほかになく、極めて重要な遺跡」との見解を示し、町教委に「遺跡の範囲特定と時代変遷の確認が重要」とアドバイスした。
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