愛媛県の松山市駅前から南堀端町へと抜ける市道「花園町通り」(約350メートル)のイチョウ並木に異変が起きている。例年なら色鮮やかな「黄金の帯」が道筋にできる時季だが、今年は葉の色づきが悪く全体にまだら模様で、地元住民から「木や葉に勢いがない」との声が上がる。戦災復興の象徴として植えられ、多くの人に親しまれてきたイチョウ並木に何が起きているのか。 道の左右に計48本のイチョウが植えられている花園町通りでは、紅葉の季節が来ると毎朝、道路に落ちたイチョウの葉を掃除する住民らの姿が見られる。掃除をしていた女性が手を休めて言う。「長年ここに住んでいるが、こんなにまだらな並木は初めて。通勤で通る人も今年のイチョウはいつもと様子が違うと話している」 ほかにも異変に関する声が相次ぐ。「黄色くなった途端に落ちる葉が目立つ」「色づく前に大半の葉が落ちた木もある」「木の幹を手で触ると痩せたと感じる」…。東通り町内会の富田正継会長(67)は「樹勢が衰えているのではと心配する声が出ている」。町内会の理事(69)も「イチョウの異変は地元で話題になっている」と打ち明ける。
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