自由な発想と革新的な技術で数々の「まだ見ぬ布」を生み出してきた国際的なテキスタイル・プランナー新井淳一さん(81)=群馬県=の布作りをたどる展覧会「新井淳一の布 伝統と創生」が14日、愛媛県久万高原町菅生の久万美術館で始まった。11月24日まで。 織物の町・群馬県桐生市に生まれた新井さんは、伝統にとらわれない新しい布作りに意欲的に取り組み、世界的な日本人デザイナーとのコラボレーションなどを通し、多くの斬新な布を生み出してきた。手仕事と先進技術の融合で作り上げる布は世界的に認められており、2011年には英国王立芸術大学院から名誉博士号を授与された。 開展式では、新井さんが「(同館の展示では)自分が作ったものでありながら、見たことのない表情を見せている。布が置かれる器と迎えてくれる人たちの心が、布と語り合うのを見るのはうれしい」とあいさつ。会場には、60年に及ぶ布作りの代表作約45点が立体的に展示されており、来場者は、揺れ動き、きらめき、まるで生きているかのような存在感を放つ布の魅力をじっくりと堪能していた。
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