愛媛県今治市中心部の寺町エリアにある西蓮寺(風早町4丁目)で、樹齢約400年になるエノキの大木が腐朽し、伐採が進められている。県内外の樹木医が立ち会い、13日までに作業を終える予定。11の寺院が密集する寺町のシンボルともなっていただけに、関係者は別れを惜しんでいる。 エノキは高さ約20メートル、幹回り約4.5メートル。隈江道雄住職(66)によると、江戸初期に寺が現在地に移転した際、植えられたとみられ、市街地の多くを焼失した1945年の今治空襲でも難を逃れた。 しかし、2011年7月の台風6号による潮害で腐食が進み、落葉や落枝が目立ち始めた。約1年前から宇和島市三間町戸雁の樹木医伊東幸男さん(52)が診断。墓石に囲まれているため、根元を掘って土壌を改良するといった手当てができず、墓参りに訪れる檀家(だんか)に被害が及ぶ恐れも出てきたため、伐採を決めた。
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