愛媛大医学部付属病院(愛媛県東温市志津川)の一角で、愛らしいフクロウが利用者を出迎えている。西条市の夫婦が「いっときでも心が休まってもらえたら」と願いを込めた16点の箱庭が、患者らを世界各地へといざない、元気を届けている。1階売店前通路で16日まで。 夫妻は西条市三芳の山内勇さん(74)と一子さん(71)。フクロウが旅する舞台は松山城など県内の観光地のほか、ペルーのマチュピチュやフランスのモンサンミシェルなど。細部まで再現された精巧な作りになっている。 約10年間で600個を制作。小さいものなら1日、大きいものは約半月で完成する。自分で歩けない入院患者が「見に連れて行って」と看護師に頼んだという話を伝え聞いた一子さんは「うれしい」とほほ笑んだ。次の作品を楽しみにしているという声を励みにする勇さんは「待ってくれている人がいるとファイトが湧く。さらに作らないかんね」と話していた。
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