任期満了に伴う愛媛県松山市長選挙は16日投開票され、現職野志克仁氏(47)=無所属=が投票総数の約62%に当たる12万5334票を獲得し、元経済産業省九州経済産業局長の新人滝本徹氏(53)=無所属=と共産党中予地区委員長の新人田中克彦氏(47)=共産=を退け再選した。投票率は48.36%で、5新人が出馬し保守分裂選となった2010年の前回を5.60ポイント下回った。 選挙戦は、野志氏と滝本氏を軸に展開、野志氏が滝本氏の倍近い票を獲得し、5万9375票の差をつけた。 野志氏は、同時選となった知事選で再選した中村時広氏が支援し自民党北条支部や民主党県連などが推薦。滝本氏は自民、公明両党松山支部連合会が推薦し塩崎恭久厚生労働相が後押しした。 野志氏は元アナウンサーとして高い知名度を誇り、3人で最も早い6月に事実上の出馬表明。新人の前回とは一転、連合愛媛など80超の各種団体から推薦を受けるなど現職の強みを発揮した。松山維新の会など市政与党の市議が支える中、特定党派に偏らない「市民党」の立場を強調し、終始優位を保った。 滝本氏陣営から国とのパイプの細さを指摘されたのに対し、野志氏陣営は市に交付された国庫支出金額は中核市で上位と反論。県との連携を前面に、無党派層や自民支持層を取り込んだ。県営黒瀬ダム(西条市)からの松山分水は、3人の中で唯一、推進を掲げた。
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