世界の研究者１０１人の国際研究プロジェクトにより、遺伝子解析を基にした従来より信頼度の高い昆虫全体の系統仮説を構築したとの研究成果が６日付の米科学誌サイエンスに掲載された。参加した愛媛大大学院理工学研究科の福井真生子助教（３２）＝昆虫比較発生学＝は「地球上で最も繁栄している生物である昆虫の進化過程を明らかにすることは重要。今後の基礎研究の土台となる」としている。 福井助教によると、新たな系統の構築によって、昆虫が羽を獲得した時期が他の生物よりはるか以前の４億年以上前だったと突き止めた。４億年前とされていた昆虫の起源が、陸上植物の起源と極めて近い４億８千万年前にさかのぼり、陸上生態系をつくった最初の生物群の一つであったことなどが分かったという。 今後、プロジェクトでは千種の全遺伝情報の解析や系統関係の解明を進める。
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