愛媛県伊方原発環境安全管理委員会原子力安全専門部会の委員2人が2009~12年度、原子力関連の会社や団体から寄付などで計280万円を受け取っていたことが17日、分かった。同部会は、県が四国電力伊方原発(伊方町)の再稼働の是非を判断する際、原子力や地震の専門的見地から意見を求められる。県は「四電との利益相反はなく、問題はない」としている。 2人は、北海道大大学院工学研究科の奈良林直教授(2月就任)と、京都大原子炉実験所の宇根崎博信教授(10年6月就任)。 北大によると奈良林氏は、四電など電力各社が出資する日本原子力発電から09~11年度に毎年50万円ずつ計150万円、伊方原発に燃料を納入している核燃料加工会社の原子燃料工業から10年度に50万円の計200万円の寄付を受けていた。 また、奈良林氏は原子力規制委員会で東京電力福島第1原発事故の分析を行う検討会の委員も務めており、規制委が公開している自己申告書によると、東電から425万5000円(10年度)、原子燃料工業から約27万円(同)の共同研究費を受け取っていた。宇根崎氏は関西電力の関連団体「関西原子力懇談会」から研究費名目で80万円の寄付を受領。
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