県水産研究センター(愛媛県宇和島市)は9日、かんきつの香りを付けた養殖魚「みかんフィッシュ」の新たな生産技術を発表した。餌にイヨカンの果皮を混ぜる従来の方法に代わり、精油を添加。白身魚に香りが付きにくいなどの課題が解消され、対象魚種の拡大が期待できる。 新技術は、えひめ飲料(松山市)と共同開発。イヨカンを搾汁する際に出る果皮油から、香り成分の精油を抽出し餌に配合する。 果皮を練り込むためモイストペレット(半固形の餌)にしか使用できないことや、餌のタンパク質含量が減り成長が停滞するなどの問題点を解決。マダイで魚体重量の0.10%、ブリで0.02%の精油を混ぜた飼料を与えれば十分な香りが付くことが分かった。 9日に宇和島市弁天町1丁目の道の駅「きさいや広場」であった発表会には、水産会社や漁協関係者ら約50人が出席。研究センター職員の説明を受けた後、マダイの刺し身や塩焼きを試食した。
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