「やった。心からうれしい」「誇りに思う」―。南予が生んだ「努力家」の業績をついに世界が認めた。7日夜、中村修二さん(60)がノーベル物理学賞を受賞したニュースが伝わると、松山市の親族や大洲市の同級生らは万感の思いに胸を熱くし、喜びに沸いた。青年時代を知る人の記憶にあるのは、信念を曲げず、勉学に励む一徹な姿。何年も前からノーベル賞に近いと言われ続け、待ちに待った快報だった。多くの県民たちが偉業に胸を高鳴らせ、祝福の声を寄せた。 中村さんは大洲高校で3年間とも、当時あった成績最優秀学級の「トップクラス」に在籍。3年を通じて担任を務めた青野武さん(74)=西条市丹原町願連寺=は「20世紀末ごろから候補と目されていたので受賞は遅かった感はあるが、心からお祝いしたい」と声を弾ませ「LED(発光ダイオード)がこれほど日常生活の中にあふれていることを考えると、人類に対する素晴らしい貢献をしたと思う。エネルギー有効活用の点から言っても優れた発明だ」と誇らしげに話した。 高校時代の印象を「穏やかで目立たない生徒だった」と振り返り「才能もあったのだろうが、社会に出てから想像できないような努力を続けたに違いない」と推し量った。
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