村上水軍を題材にした「瀬戸内海賊物語」を今年全国上映し、来秋には人気子役の本田望結初主演の話題作「ポプラの秋」公開を控えるなど、精力的な映画製作活動を続ける大森研一監督(39)=愛媛県砥部町出身=が、新たに宇和島市を舞台にした長編映画の企画を進めている。「瀬戸内―」に続く故郷での撮影2作目。「宇和島の魅力が詰まった素晴らしいものにしたい」と意気込んでいる。 きっかけは「出会いの連鎖からだった」という。東日本大震災直後に参加したがれき撤去作業を通じて、宇和島市出身者と知り合った。その縁から、宇和島伊達家13代当主の伊達宗信さんらと出会った。折に触れて伊達の歴史やまちへの愛着を語る人たち。その熱意に打たれ「宇和島で映画を」との思いが強くなっていった。 大森監督が監督・脚本を手掛ける完全オリジナルストーリー。東京でモデルを目指していた同市出身のヒロインが、夢破れ戻った故郷で仲間たちと出会い、地元の魅力に気づきながら自信を取り戻し、再び夢に向かって歩き出すという心温まる内容になっている。 早ければ2015年3月にも撮影を開始。同年11月の宇和島伊達400年祭クロージングイベントに合わせ、市内での先行上映を目指す。16年春の全国公開や宇和島と交流のあるハワイの国際映画祭出品も予定している。
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