かつて別子銅山の製錬所があり、煙害克服を象徴する大煙突がそびえた四阪島(愛媛県今治市宮窪町)の歴史をたどる特別企画展「煙害克服の歴史と銅(かね)吹く島のせいかつ」が新居浜市角野新田町3丁目の別子銅山記念館で開かれている。島の生活や変遷を捉えた写真や資料計約220点を紹介している。11月23日まで。 大煙突が昨年7月に解体されたのを機に開催。四阪島は同市の北約20キロの燧灘に浮かぶ4島の総称。住友は1904年、煙害防止のため製錬所を臨海部から島に移したが被害が拡大。中和工場を建て39年、煙害を解決した。 大正末期のピーク時には島の人口は5500人を超えたが、76年に別子銅山閉山で銅製錬が終了し、従業員や家族らは撤退。現在は住友金属鉱山の子会社が亜鉛のリサイクル事業を行っている。 企画展には、住友と住民が賠償交渉で操業制限などを決めた経緯や中和技術で煙害を解決した過程を紹介。島民の買い物風景や島民運動会など、日常生活の写真も豊富に展示している。
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