愛媛大は16日、マラリアワクチンの開発を進めている愛媛大プロテオサイエンスセンターなどの研究グループに対し、日本政府や国連開発計画(UNDP)などが設立した「グローバルヘルス技術振興基金」からの約7660万円の助成が決まったと発表した。基礎研究を担う愛媛大は、臨床開発に実績のある米国NPOとの連携をさらに深め、10月~2016年9月の研究でワクチン開発の実用化実験を加速させたい考え。 センターの石野智子准教授(41)=分子寄生虫学=によると、マラリアは感染者の血を吸った蚊の媒介で拡大する寄生虫病で、世界で年間60万人以上の死者を出している。蚊が治療薬などに耐性を持つことが問題となっており、ワクチンは実用化に至っていない。 センターは約1年前からネズミにしか感染しないマラリアで、蚊の体内でマラリア原虫の成育を抑える抗体に着目。人に感染する原虫にも効果があると考えられ、ワクチンとして人に接種すれば、蚊を介した感染を防いでマラリア撲滅につながると予想している。
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