障害者が手作りしたクッキーやせんべいを職場の置き菓子として販売する「エイブルクッキー・デリバリーサービス」を愛媛県松山市のイベント企画会社が始めた。菓子は一つ100円と手ごろな価格で購入できるため、導入企業に好評。福祉関係者は「お菓子を通じ、障害者の雇用促進につながれば」と期待を寄せる。 障害者への理解を深めてもらおうと、ウイットプラン(松山市西石井6丁目)が企画し、9月に試験販売をスタートした。 サービスは、県内の就労継続支援事業所5カ所の利用者が作る菓子25個を1箱に詰め、契約した企業のオフィスで常設販売。購入する場合は回収箱に代金を入れ、自分で菓子を取る仕組みだ。菓子箱は同社が無償で設置し、商品の補充や詰め替えを隔週で行う。 現在、契約しているのは市内の5社。このうち、イベント企画運営会社の青空社(同市清水町1丁目)は地域貢献活動の一環として設置を決めた。駄場元俊和社長(43)は「小腹が減ったときにすぐに食べられるので便利。就労継続支援事業所について学生スタッフが知るきっかけになった」と喜ぶ。 一方、企業での菓子販売は提供する側の励みになっている。ラスクを作る「なかま共同作業所」(同市太山寺町)はこれまでの販売先は学校のバザーなどに限られ、企業へは初めてという。
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