戦前のパリで絵を学び将来を嘱望されるも、晩年は郷里・今治で一人制作に没頭した洋画家・馬越舛太郎(まごし・ますたろう、1899~1987年)の足跡を振り返る企画展「孤高の道 馬越舛太郎」が13日、愛媛県久万高原町菅生の町立久万美術館で始まった。11月24日まで。 今治市生まれの馬越は1916年に院展に初入選、21年から4年間フランスに滞在し、パリのアカデミーで絵を学んだ。帰国後は国画会で活躍し、将来を期待されたが戦時中に疎開。晩年は今治でひたすら自身の絵を追求し、その活動に大きく光が当てられる機会はなかった。 開展式では約90人がオープンを祝い、会場に並んだ油彩など約70点を鑑賞。郷里の風景を描いた作品や、描いては削ることを繰り返した晩年の「白い絵」など、「孤高の画家」が目指した表現を感じ取るようにじっくりと見入っていた。美術評論家の阿部信雄氏によるギャラリートークもあった。
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