東日本大震災発生から3年半となった11日、愛媛県松山市石手2丁目の石手寺で追悼式典があった。被災地の福島県や宮城県などから避難している住民ら約20人が出席し、犠牲者に黙とうをささげ、復興を祈った。 「宮城を捨てた気はないけど、帰っても仕事はねえし、家はねえし、友達だっているか分かんねえ」。宮城県石巻市で津波被害に遭い、松山市に移住したサービス業宇津木武志さん(36)は式典であいさつに立ち、故郷を追われた歳月をかみしめるように語った。「半分諦めて、ここに残っている」 主催した石手寺の加藤俊生住職は「不本意な思いの中で希望が失われてはいけない。復興に向け、できることをやっていきましょう」と呼び掛けた。 式典後は被災者の交流会があり、避難後に悪化した体調や生活の苦労、趣味など近況を報告し合った。
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