愛媛県松山市の野志克仁市長は4日、市役所で会見し、10年に1度の渇水に対応するため日量4万8千トンの新規水源開発が必要とした「長期的水需給計画」が、策定から10年を経て2015年度に目標年次を迎えることから、2年かけて計画を検証すると発表した。 計画は県営黒瀬ダム(西条市)からの松山分水を推進する根拠となっている。野志市長は「新規水源開発の見直しではなく需要量の検証」と説明した。 計画では15年度の1人当たり1日平均給水量を1994年の大渇水を踏まえ310リットルとしたが、13年度実績は286リットル。市の人口も今後減少する見通し。こうした点を踏まえ、14年度は水需要の現況調査と水源水量の整理などを実施し、15年度は調査結果の分析や新たな需要予測、需給バランスの検証を行う。9月補正予算案に事業費957万円を計上した。 検討は専門家や市民による「委員会的な組織」(市水資源担当部長付)で進め、分水に懐疑的な見方もある市議会の意見にも耳を傾けるとしている。
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