愛媛県松山市出身の海軍軍人秋山真之(1868~1918年)の直筆掛け軸が市内でこのほど見つかり、坂の上の雲ミュージアム(同市一番町3丁目)に寄贈された。ミュージアムは「真之は早世したため、直筆軸は少なく貴重」としている。 本紙の大きさは縦約136センチ、横約42センチ。ミュージアムによると、「玄々相摩天地位陰陽相和萬物育 大正四年仲夏 真之」と記され、花押もある。「玄々(げんげん)相摩して天地は位す陰陽相和し萬物は育す」。儒教の四書の一つ「中庸」に「天地位焉、萬物育焉」とあり、思想的な内容と考えられるという。 「玄々」を同じ読みの「舷々」に置き換えた「舷々相摩して」は、船と船とが接近して激しく戦う様子を指し、真之も用いた言葉とされる。
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