愛媛県西条市の加茂川で高校生の死亡事故が相次いだことを受け、県教育委員会は29日、公立学校長を対象にした緊急の水難事故防止研修会を新居浜市大生院の県総合科学博物館で開き、再発防止の徹底を呼び掛けた。 東予地区の高校20校や新居浜、西条両市の小中62校の校長が参加。県教委の北須賀逸雄指導部長は「教員が加茂川を巡回して注意喚起する中で再び事故が起き、衝撃が大きい。安全教育を充実させてほしい」とあいさつした。 西条市消防本部警防課の近藤正紹課長が、河川での遊泳に潜む危険について、水温が低く流れがあって動きが制限される▽深さが分かりにくい▽足元が不安定―などを挙げ、「流れが穏やかに見えても川底の岩や流木で水流が渦巻き、救命胴衣を着けていても沈むことがある」と説明。加茂川の事故現場付近は河川が湾曲しており、内側に比べて(生徒が溺れた)外側は深く流れが速かったと指摘し、「なぜ川は危ないかを生徒や保護者に具体的に教える取り組みを進めてほしい」と訴えた。
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