山あいの傾斜地や道沿いにアジサイ1万株以上が広がる、愛媛県四国中央市新宮町上山の中野集落の「あじさいの里」。住民主体で開く毎年恒例の祭りは、29日に25回目を迎える。担い手不足が悩みだが「茶摘みが終わればアジサイの時季」と住民らは準備に大忙しだ。 あじさいの里の始まりは1970年代。傾斜地の家々を結ぶ道路(現在の市道中野線)の完成を祝い、主婦十数人が道沿いに約2千株を植えたのがきっかけだった。新宮あじさいグループ(約60人)会長の農業大西敬志郎さん(65)によると、当時、道を掃除するだけよりも、花を植えてその世話もする方がやりがいもあるとの意見が出た。地域外から観賞に来た人の声も後押しになり、90年に祭りを始めた。 29日には名物「あじさい見団子」のほか、うどんやお茶製品などのバザーを実施。観覧用モノレールも運行する。花は現在六分咲きで、見頃は7月上旬ごろまで。
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