11月末任期満了の愛媛県知事選で、県政議会与党の自民党県連は23日、県議会議事堂で常任総務会を開き、中村時広知事に再選出馬を要請すると決めた。所属県議27人のうち24人が賛成する一方、松山市・上浮穴郡区選出の3人が「現時点で出馬要請の判断はできない」と採決を退席する異例の展開をたどった。 退席したのは戒能潤之介、三宅浩正、松尾和久の3氏。2012年衆院選で、県都で日本維新の会候補を支援した中村知事の対応を問題視している。 県連は4日から、50地域支部に知事選対応を意見聴取。松山支連など3支部が出馬要請に否定的だった。 ただ23日は、県連の決定に先立ち宇和島など南予の4支部が独自に、県庁で中村知事に出馬を要請した。 竹田祥一幹事長は県市長会・町村会や県建設業協会、経済4団体といった自民と関係の深い団体が中村知事に出馬要請している点に触れ、異論が残る中での決定に「党員からは『県連の行動が鈍い』との声さえあり、遅きに失した感もある」と強調。3人の退席には「手順の問題。知事への批判とは考えていない」と述べた。 一方、退席した戒能氏は、中村知事が12年末の衆院選で愛媛1区(旧松山市)から出馬した日本維新候補を支援し、自民党国会議員団と亀裂が生じ、党松山支連が中村知事への出馬要請に否定的な点などを指摘した。
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