愛媛県立とべ動物園(砥部町上原町)の雌のアフリカゾウ「砥愛(とあ)」が、1日で1歳を迎える。アフリカゾウが父と母、姉という家族で一緒に暮らすのは、とべ動物園が国内唯一。砥愛は家族に見守られて元気よく運動場を駆け回っている。 動物園によると、アフリカゾウの商業取引がワシントン条約で禁止された影響や、飼育と繁殖の難しさから、最近10年、国内でアフリカゾウが生まれたのはとべの3頭のみ。野生では母親を中心に群れで生活しており、とべでは生態に合わせた飼育を実現できている。 「おてんばで、やんちゃ。好奇心も旺盛」。担当飼育員の椎名修さん(52)が目を細める。約80キロだった体重は、現在約380キロ。体長は約1.5メートル、体高約1.15メートルになり「じゃれてくると、そろそろ体力的にきついかな」と苦笑いする。 自然保育の砥愛は野生の子ゾウと同様、母親リカや姉の媛(ひめ)の後ろに付いて歩きながら、水がある場所やプールへの安全な下り方を身につけている。鼻の使い方も上手になってきた。椎名さんは「きょうだいで過ごせるのは幸せなこと。大きくなった砥愛の記憶にも残っているだろう」と力を込める。
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