愛媛県松山市北条辻の鹿島で3日、北条鹿島まつりが始まった。初日は地元保存会が河野水軍の勇姿を伝える県無形民俗文化財「櫂(かい)練り踊り」を披露し、住民や観光客ら約5800人を魅了した。 櫂練りは水軍の戦勝祈願などに由来する神事で、800年以上の歴史がある。2隻の櫂練り船がみこしを載せた2隻を先導し、鹿島と北条港間の約400メートルを渡る。 小旗を翻す4隻の船団がかねや太鼓を打ち鳴らし、白波を蹴立てて何度も海上を旋回。櫂練り船の船首では地元の子どもが2本の指揮棒を振って踊り、船尾では若者が剣に見立てた黄金の櫂を振り回した。風が強く、大きく揺れる船上で踊り手は見事に舞い、港や周囲に浮かぶ船の見物客をくぎ付けにした。 4日は、鹿島沖の夫婦石にかかる大しめ縄の張り替えがある。
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