江戸から明治にかけ、別子銅山の銅を搬出する拠点だった愛媛県新居浜市の「口屋(くちや)」の風景を再現しようと、地元・宮西地区の住民らがジオラマ制作に取り組んでいる。子どもや若い世代に地域の歴史を知ってもらおうと手掛けた力作で7月にも完成予定だ。 口屋は1702(元禄15)年、別子山中で採れた粗銅を大阪へ輸送する玄関口として開設、1890(明治23)年には現在の住友化学愛媛工場がある惣開に拠点が移された。 口屋と銅山を結ぶ運搬道は「登り道」と呼ばれ、今なお商店が並ぶ。跡地には口屋跡記念公民館(同市西町)があるだけで、往時の姿を伝えるのは樹齢300年超の松のみ。
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