過当競争に苦しむ愛媛県内トラック業界が、採算割れの荷主との取引を断るなど一斉に方針転換を始めた。背景には、アベノミクスによる円安での燃料費高止まりや、ドライバー不足の深刻化がある。 「運賃はもう限界。数カ月前から採算割れの荷主には値上げをお願いしている」(愛媛県四国中央市の大西物流)。「適正な運賃をもらえない顧客との取引は中止せざるを得ない」(宇和島市の宇和島自動車運送)。 運送各社はこれまで、値上げを要請しても、荷主から取引変更の話をされると断念せざるを得なかった。業界関係者によると、他社に頼んでも安い料金では無理だと認識している荷主は受け入れ、そうでない荷主とは取引を打ち切るケースがあるという。
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