四国電力の千葉昭社長は28日、高松市の本店で会見し、原子力規制委員会の審査会合で伊方原発3号機(愛媛県伊方町)が再稼働の審査を優先する優先原発に選ばれなかったことを受け、想定される最大規模の揺れ(基準地震動)を引き上げる可能性を示唆した。基準地震動の変更は規制委の審査が長引いている基準地震動を早期に確定させ、次の優先原発に選ばれたいとの狙いがある。 四電が申請した基準地震動は570ガル。規制委からは「検討が不十分」として了承が得られていない。一方、優先原発に選ばれた九州電力川内原発(鹿児島県)は申請時の540ガルから620ガルに変更した経緯がある。 千葉社長は「(川内原発の)事例が示された以上は伊方原発もこのレベルを念頭に置いた対応が必要になってくる。今後規制委とのやりとりの中で決めたい」と説明。引き上げは「川内原発をかなり下回る形で(規制委に)持って行くことは難しい」と話し、川内原発の620ガルを基に検討するとみられる。
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