14日未明に伊予灘を震源とするマグニチュード6.2の地震が発生して21日で1週間になる。愛媛県の西予市で観測された震度5強は、県内では2001年の芸予地震以来だが、現地で被害調査をしている愛媛大防災情報研究センターの森伸一郎准教授(地震工学)は「被害を見る限り、西予市三瓶町は全体では震度5弱だった」と、震度計の値より周辺の揺れが小さかった可能性を指摘。今回被害が少なかったからといって、震度5強を超える地震被害を軽くみないよう警鐘を鳴らしている。 気象庁震度計は設置場所の地盤の強さによって計測数値が上下に振れることがあり、松山地方気象台は「地震計の周辺が、設置場所と全く同じように揺れているとは限らない」と解説する。 森准教授は広範囲の実態を知るため、17日、西予市三瓶町や松山市西部、伊予市、松前町などで埋め立て地の液状化の有無や住宅被害の調査を開始。震度5強の被害の目安は、埋め立て地液状化や住宅屋根瓦のずれ、墓石が倒れるなどの現象で、実際に三瓶町の垣生漁港では、埋め立て地の軽度の液状化で岸壁が海側に約3センチせり出しており、土と舗装の間の隙間や地盤沈下を確認した。
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