東京電力福島第1原発事故で平穏な生活を奪われたなどとして、福島県から愛媛県に避難している6世帯12人が10日、東電と国に慰謝料など計6600万円の損害賠償を求め、松山地裁に提訴した。 弁護団の野垣康之弁護士によると、同様の集団訴訟が全国で係争中で、四国では初めて。全国では1人当たり1千万円以上の請求が多い。愛媛の原告は1~64歳の男性7人女性5人で、うち5世帯8人は現時点では国による居住規制などがない地域からの自主避難者。自主避難者への中傷などを懸念し、裁判所に原告情報の閲覧制限を申し立てた。 訴状によると、原告が受けた被ばくや地域社会・家族分断などによる精神的苦痛、経済的被害などの損害は1人当たり1500万円を下らないと主張し、現時点で算定困難な不動産損害や将来の健康被害を除外した上で、1人550万円の支払いを求めている。
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