2013年8月の火災で本堂などを焼失した一遍上人ゆかりの宝厳寺に続く市道「上人坂」(愛媛県松山市道後湯月町、152メートル)で、上り口にある交差点の拡幅工事を市が15年度までに総事業費4600万円かけて実施することが11日、関係者の話で分かった。道後温泉本館周辺の新たな魅力創出に向けた第一歩となる。 宝厳寺火災後の13年11月、地元旅館や商店街関係者は「道後上人坂再生整備協議会」を設立し、寺の再建や周辺の活性化策を検討してきた。上人坂の道幅を広げて公園や温泉施設を整備するとともに、道沿いへの石段新設などでかつての門前町の風情を再現したいとしている。 関係者によると、交差点の隅を切って道幅を広げることで、緊急車両なども通りやすくなる。 本館改修方針や地域の活性化計画を考える市道後温泉活性化計画審議会では、市営「椿の湯」と、本館南側の「冠山」、上人坂の3拠点の再整備計画を協議中。市関係者は「道路整備もまちづくりの一つ。活性化への検討が重なれば、奥行きのあるまちづくりが進む」とする。
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