建国記念の日の11日、松山市など愛媛県内5カ所で開かれた「建国記念の日奉祝大会」で、主催者が市町教育委員会を通じて小中学校に参加を呼び掛けるチラシの事前配布を依頼。児童生徒に配った学校があった一方、教育の中立性に反する恐れがあるなどの理由で断った教委や学校もあった。 チラシはA4判で、神武天皇の絵を載せ「日本建国2674年」「祝日には国旗を掲揚しましょう」などと記載。主催者によると、昨年から配布の依頼を始めた。 愛媛新聞の調べでは、20市町教委のうち松前町を除く19教委が後援。11教委がチラシを受け取り、学校に送付した。四国中央、東温の両市では主催者が各校に直接送った。県教委は「政治的、宗教的中立に反する恐れがある」として後援せず、チラシ送付にも関わっていないという。 宇和島市教委は「特定団体の行事に対しいろいろな考え方がある中、抵抗を感じる家庭もあるかもしれない」とし、電話で全小中学校の意見を確認。「子ども一人一人に配るのは難しいと思う」との見解を伝え、チラシを各校に送って判断を委ねた。 受け取った学校側は「(チラシに)差し障りのある表現があり、配布しなかった。学校が参加を勧める形にはしたくないと考えた」「掲示板には張ったが、個人配布はしていない」などと話した。
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