愛媛県宇和島市に在住し詩人の坂村真民さんと交流を深めた植物学者・利根白泉さん(1891~1972年)の功績を顕彰する特別展が3月末まで、同市堀端町の市立中央図書館で開かれている。精巧に描かれた動植物のスケッチや民俗学の書籍など105点を紹介している。 利根さんは伊方町三崎地区出身。学術研究のためアジア各地を歴訪した後、薬用・食用植物について全国各地の大学や病院などで講演、指導した。1944年から25年間、宇和島市吉田町に住み、大乗寺(吉田町立間)で座禅修行する坂村さんに出会ったという。 市立図書館には利根さんのスケッチ約1000点や自著66冊が寄贈されている。特別展では、絵の具の濃淡で色鮮やかに浮かび上がったフジやセンブリ、アジアに分布するコウノトリ科インドトキコウの絵が並ぶ。手書き書籍「クサキのくすり」「植物の分析表とビタミン表」のほか「行事と奇習」「郷土名産食品集」などテーマは幅広い。
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