白磁に呉須で知られる砥部焼の新たな魅力を引きだし、より多くの人に知ってもらおうと愛媛県砥部町の二つの窯元が、長年フィンランドでテキスタイルデザイナーとして活躍し、現在は陶芸制作に取り組む同町出身の石本藤雄さん(72)とコラボレーションしたマグカップなど5作品を制作している。アートイベント「道後オンセナート2014」の一環で販売を始め、砥部焼のイメージを広げる新しいデザインで人目を引いている。 制作しているのは「すこし屋」(同町大南)の松田歩、知美さん夫婦と、「atelier LUXE」(同町宮内)の郷田裕佳子さん。フィンランドで陶芸作品を手掛ける石本さんの帰郷展が昨秋開かれた際、砥部焼とのコラボ企画が浮かび、石本さんも参加するオンセナートのグッズとして実現した。 「デザイナーと砥部焼窯元のコラボレーションは珍しい試み」と県窯業技術センター(同町五本松)。石本さんの考える色彩や風合いを出すため、同センターが釉薬(ゆうやく)の配合や調整に関わり、何度も試作を繰り返したという。
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