子どもの健やかな成長を願う「子泣かし天狗(てんぐ)祭」が5日、愛媛県鬼北町近永の広見体育センターであり、こわもての天狗に抱かれて怖がる幼児の元気な泣き声が会場に響いた。 地元太鼓集団「魁(さきがけ)」と町などが企画し、1991年から続く新春の恒例行事。太鼓の音に誘われ鬼が城山系から里に下りた天狗が子どもと遊ぼうとするが泣かせてしまうという設定で、おわびに神通力で子どもの幸せと健康を祈願する。 24回目の今回は、2012年に生まれた町内外の幼児61人が参加。真っ暗に静まりかえった会場に太鼓の音が鳴り、天狗が登場すると、あまりの恐ろしさに悲鳴をあげる子どもが続出した。 保護者から天狗へ抱き渡されると、必死に泣きじゃくり抵抗する子や、手を振って余裕を見せる子の姿も。保護者は天狗の「元気に育て」「かわいく育て」の掛け声に合わせ、祈りを込めて大太鼓を打ち鳴らしていた。
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