愛媛県新居浜市の別子銅山の近代化を支えた国登録有形文化財・端出場水力発電所(同市立川町)の成り立ちと意義を考える企画展が同市上原2丁目の市広瀬歴史記念館で開かれており、工都発展の軌跡を伝える資料約80点を展示している。12月1日まで。 発電所は1912年に住友金属鉱山の前身・別子鉱業所が建築。約10キロ離れた水源から水路を引いて水を集め、当時東洋一とされた落差597メートルの水勢を利用した。34年には毎時4800キロワットを発電し、70年に廃止となるまで、銅を電気で精錬する工場や坑内の削岩機などへ電力供給を続けた。2005年まで変電所として使われ、10年に市に寄贈。翌年1月に国登録有形文化財に指定された。 企画展は市が11、12年度に行った調査を基に、住友共同電力などが所蔵する江戸から昭和初期の資料や写真などを展示した。
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